相続税について
申告までの流れ
ご自身に相続が発生したら、何をいつまでに行えばよいのでしょうか?
ほとんどの方にとって、相続を経験するのは一生に一度か二度だと思われます。それ故、ほとんどの方にとって相続は初めての経験、慣れていない手続きの連続なのです。
ここではその手続きの中でも「相続税に関するもの」を抜粋し、実際の申告までの流れについて解説します。
なお、相続発生後の各種手続き全般についてはこちらをご覧ください。
申告までの流れや申告期限について
相続税の申告期限は特殊な事情がない場合、相続開始後10か月以内です。ある年の7/1に相続が開始した場合、翌年5/1が申告と納税の期限となります。実際に相続が開始してから10か月後の申告までの間、いつまでに何をすると良いか、各期間ごとに解説したいと思います。
相続開始~3か月以内にすべきこと
①遺言書の有無の確認
遺言の有無で相続税の申告の流れは大きく変わります。遺言には種類があり、その種類によって保管場所は様々ですが、主な確認方法は以下のとおりです。
- 公証役場で確認する
- 自宅を捜索する
- 法務局で確認する(自筆証書遺言の保管制度利用のケース)
注意が必要なのは自宅で自筆の遺言が見つかった場合です。この場合には家庭裁判所の検認手続きを行う必要があり、すぐに開封することができません。
②相続人の調査
遺言書の有無の確認と同時並行して行うのが相続人の調査です。亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を取り寄せて、相続人が誰になるのかを調査します。調査の結果、存在を知らなかった子等が発覚するケースもあります。相続人が増えることは税額や遺産分割に大きな影響を与えるため、しっかり調査をする必要があります。
また相続後の各種手続き(銀行口座の解約手続きや、各種行政機関への申請等)の際にも、戸籍が必要となることが多いため、早い段階で集めておくとよいでしょう。
戸籍の収集は、多くの方が初めて行う作業です。不慣れな場合どこに何を請求すればよいか判断できないこともあるでしょう。札幌駅前相続サポートセンターでは、「戸籍の収集のみ」のスポット依頼もお受けしています。お気軽にお問い合わせください。
③裁判所で行う各種手続き(特別代理人の選任、相続放棄や限定承認など)
次のような場合には、相続税申告の下準備として裁判所での手続きが必要です。
- 相続人の中に未成年者とその親がいる場合
- 相続放棄や限定承認をする場合
相続人の中に、未成年者とその親が同時にいる場合で、両者ともに遺産分割協議の当事者である場合、裁判所にて特別代理人の選任を申し立てる必要があります。
また、相続財産に借金があり、相続放棄や限定承認を行いたい場合にも、裁判所で手続きが必要です。相続放棄や限定承認の手続きは相続開始から3か月以内に行う必要があります。
相続開始~4ヶ月以内にすべきこと
準確定申告
確定申告が必要な人等(生前に事業やっていた人、年収が多かった人、還付を受けることのできる人)が亡くなった場合、その死亡から4か月以内に準確定申告を行う必要があります。
この準確定申告の結果、納税が発生した場合その税額は、相続税申告において遺産総額から差し引くことができる「マイナスの財産」となります。(還付を受けられる場合にはその還付額は、「プラスの財産」となります。)
ご自身に起こった相続において準確定申告をする必要があるかどうか、判断が難しい場合にはお早めに専門家にご相談ください。
相続開始~6か月以内にすべきこと
申告に必要な書類収集
戸籍類や相続財産に関する書類を収集します。
詳細は「2.必要書類」をご確認ください。
7~10か月以内にすべきこと
相続税の申告準備を進めます。財産の取りまとめ、相続税の総額の把握、遺産分割協議、相続税の申告書の作成、税金の納付方法の検討を行います。
なかでも遺産分割協議は税額にも影響を与えるため、十分に時間をかけ「相続人全員が納得する協議」にする必要があるでしょう。遺産分割協議は、様々な理由を考慮し、相続人皆様で決めるべきことです。
札幌駅前相続サポートセンターではお客様に、次のような情報をお知らせし、お客様の分割協議が円滑に進むようサポートいたします。
様々な分割案を網羅的にシュミレーションし、それぞれの場合の税額をお知らせします。
一次相続と二次相続のトータルシュミレーションにより、その合計税額や最終的な手残りについてお知らせします。
相続後に不動産や株式の売却を検討している場合には、その譲渡所得税についてもシュミレーションし、税額をお知らせします。
特例を利用できる要件を説明し「お客様の場合」に合わせ、「何をいつまでにどうすれば」特例を受けられるのか、その場合の税額や手残りについてお知らせします。
税金に関する情報は、お客様ご自身では予測が難しい場合も多いでしょう。それらの情報は我々がご提供しますので、お客様は安心して協議に臨むことができるでしょう。
また非上場株式や不動産の売却等は、その分割方法や実行時期により、相続税又は所得税の額に大きく影響を及ぼします。非上場株式や不動産の売却等を検討している場合は、事前に税理士に相談することをお勧めいたします。
相続税申告において必要な書類について
相続税の申告準備のため、様々な書類を期限までに取得する必要があります。中には取得に時間がかかるものもあるため、早めに取り組むことが大切です。
なおご紹介する書類のほとんどは、札幌駅前相続サポートセンターにて代理取得が可能です。準備の時間がない方、手続きに不安を感じている方は、お早めにご相談ください。
相続税申告において必要な書類(代表的なもの)
①戸籍、住民票、印鑑証明書など
亡くなった方の戸籍 出生から死亡までのすべての戸籍、除籍、改製原戸籍
相続人の戸籍 相続人全員の現在戸籍
住民票関連 亡くなった方の住民票の除票の写し、相続人の住民票の写し
印鑑証明書 相続人全員のもの
※いずれも相続開始から10日以上経過した日以降に取得したものが必要です。②財産を確定するための書類
銀行口座の残高証明、取引履歴、利息計算書など
不動産の固定資産税の通知書または名寄帳など
保険の証券や振込額の明細書(種類によっては解約返戻金の計算書)
株や投資信託があれば取り扱い会社の証明書等
その他資産や債務の額を示す証拠書類など
必要な情報や書類については財産評価のページでも詳細を解説していますのでご確認ください。
なお、札幌駅前相続サポートセンターでは、原則すべての書類はデータ(PDF等)でのお預かりで足ります。ご依頼いただく場合には、資料は紙又はデータのいずれかの方法でご提供ください。
延納・物納について
相続税は、その遺産総額に応じて課税される税金のため、実際の税額が高くなることもあります。遺産にまとまったキャッシュ(預貯金など)がある場合は、納税が困難となることはありません。
しかし、遺産のほとんどが不動産等で、すぐに換金が難しいケースなど、納税が困難となる場合もあります。そのため納付期限を延ばしたり(延納)、物で納付したり(物納)といった制度が設けられています。
延納・物納はいずれも、一定の要件に該当する場合にのみ利用することができる制度です。実務上は相続税の申告書に、延納・物納に関する書類を追加して期限内に申告することになります。
札幌駅前相続サポートセンターでは延納や物納に関するご相談もお受けしております。納税が困難となる相続にお悩みの方はまずご相談ください。