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遺産分割協議について④胎児の取り扱い

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今回のコラムでは、相続人の中にまだ生まれていない子ども、胎児がいる場合についてお伝えします。

例として、夫が亡くなり、妻の胎内に胎児がいるケースを考えてみましょう。民法では原則、所有権などの民法上の権利は、出生の時から有することができる、と定められています。この原則によれば、胎児は生まれていないため、権利を有することはできないように思えます。

しかし、上のケースでいえば、生まれていれば妻が2分の1、子どもが2分の1の割合で相続するところ、生まれていなければ妻が3分の2、夫の両親が3分の1の割合で相続することとなります。誕生が早いか遅いかによって相続人になれるかどうかが左右され、大きな差が出来てしまいます。

これでは不公平だということで、民法上に特別の規定がおかれており、相続においては胎児は生まれたものとみなされることになっています。なお、交通事故などの損害賠償の請求についても、同様の規定があります。

しかし、胎児はもちろん自分で遺産分割協議をすることはできません。さらに、死産の場合には上記の規定が適用されないため、代理人を立てて遺産分割協議を行っても無効になってしまうおそれがあります。そのため、実務上は、生まれてくるまでは遺産分割協議は差し控えるのが望ましいと考えられています。

なお、胎児名義のままでも、相続登記は申請することができます。名前を登記することはできず、「亡山田太郎妻山田花子胎児」のように記載し、生まれた後に、氏名変更の登記を行います。死産の場合には「錯誤」として、所有権を更正する登記を行います。

このように、胎児がいる場合は、通常の遺産分割協議とは異なる扱いになります。また、相続税の申告については、別に税法上の取り決めがあります。相続手続きをする際には、注意するようにしましょう。


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