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渉外相続手続きについて②(相続人が海外在住の場合 その1)

相続手続

日本国籍の方が亡くなった際に、相続人の中に海外に住んでいる方がいる場合の手続きをご説明します。

不動産や預貯金の相続手続きをするために必要な書類として次のようなものがあります。
 ①被相続人の戸籍謄本(出生から死亡まで)
 ②相続人の戸籍謄本(現在)
 ③相続人の印鑑証明書
 ④遺産分割協議書(③の実印を押したもの)

相続人が海外在住でも国籍が日本であれば、②の戸籍謄本は通常通り日本の本籍地で取得できます。しかし、③の印鑑証明書は住所が日本にないと取得できませんし、④の遺産分割協議書に押す印鑑もありません。

これらを解決する方法として、次のようなものがあります。

1.領事館で署名証明を取得する

署名証明は、一般にサイン証明と呼ばれることもあります。

(以下、外務省サイトより抜粋)
日本に住民登録をしていない海外に在留している方に対し,日本の印鑑証明に代わるものとして日本での手続きのために発給されるもので,申請者の署名(及び拇印)が確かに領事の面前でなされたことを証明するものです。
証明の方法は2種類です。
形式1は在外公館が発行する証明書と申請者が領事の面前で署名した私文書を綴り合わせて割り印を行うもの,
形式2は申請者の署名を単独で証明するものです。
(抜粋終わり)

形式1の場合、遺産分割協議書がそのまま署名証明になるので、署名の同一性で争いになることがありません。遺産分割協議書の内容に誤りや変更があった際に、再度、署名証明を取得しなくてはならないのがデメリットです。
形式2の場合、印鑑証明書と同じように、遺産分割協議書だけでなく、他の書面の添付書類や相続以外の手続きにも使いまわすことが可能です。サインによる証明の文化のない日本では署名の同一性の判断に慣れていないため、提出先が署名の同一性を認めてくれないリスクがあります。

特別な事情がない限り、形式1で証明してもらうのが無難でしょう。
遺産分割協議書(日付と署名は空欄)を領事館に持参すれば、すぐに証明してくれますし、日本語だけで足りるので簡単に手続きができます。ただ、主要都市の一部にしか領事館がないのが難点です。

また、署名証明と併せて「在留証明(住民票の代わりとなるもの)」を取得しておくとよいでしょう。

2.宣誓供述書を作成する

3.日本に帰国時に公証役場で認証を受ける

4.一旦、日本に住所を移し、印鑑証明書を取得する

以上については、次回説明します。


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